ESR解説・コラム

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ESR解説・コラム

2006年から2022年にESR初学者を対象とするESR計測実習会(主催アナリティカルESR研究会)が概ね年2回のペースで合計36回開催されました。ESR装置を使用した実習形式の講習は前例がなく、企業や大学等の研究機関から延べ約300名の参加者がありました。この実習会には「溶液編」と「素材編」が準備され、前者は活性酸素種のスピントラッピングESR法を、後者は高分子素材や塗料のESR測定法を取り扱いました。諸般の事情で実習会は継続できなくなりましたのが、執筆者の許諾のもとでESR計測実習会のテキストの一部をESR解説・コラムとして公開することになりました。「溶液編」と「素材編」のテキストは100頁におよぶ大作なので、その内容を「ESR基礎」、「ESR解説」および「ESR基礎理論」に分類して順次連載します。

ESR基礎

「ESR基礎」ではESR装置を使用する際に、測定者はESRスペクトルの線幅やg値を考慮して装置の諸条件(測定パラメーター)を適正な範囲内に設定する必要があります。この特性がESR測定は技術的に難しいとされる所以です。「ESR基礎・測定1」では、ESRスペクトルのS/N比、線形および分解能に影響する主要な測定パラメーターについて解説します。

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スペクトル解説

ESRスペクトルが「敬遠」されるのは、ESR信号が微分線形なだけでなく、スペクトルの分裂が分子構造に依存して著しく変化することも原因です。「ESR解説」では、主に有機ラジカルのESRスペクトルを分子構造と関連付けて解説します。
たとえば、ESRの標準試薬として使用される安定有機ラジカルおよびスピントラッピングESRのスペクトル等を連載形式で解説します。

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ESR基礎理論

電子スピンを観測対象とするESRの基礎理論では、電子の状態を記述するために量子力学の基礎知識が必要になります。多くのESRの教科書もスピンハミルトニアン、波動関数あるいはスピン角運動量についての解説から始まります。
ここでは、有機ラジカルのESRスペクトル解釈に必要な基礎理論の部分から連載形式で解説を始めます。

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コラム

ESRの専門家およびESR応用研究を経験した方々に、ESR研究の苦労話や失敗談などの寄稿をお願いしています。
「ESR解説・コラム」にて連載形式で紹介します。これから、応用研究を始めようとする方々へのエールです。

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