連載:私の研究履歴書 第1回 ~学生時代1 一喜一憂の有機合成実験~
「私の研究履歴書」と題する新シリーズ(全9回)の連載を開始します。新シリーズでは田嶋代表の学部および修士課程学生時代から愛媛大学理学部助手を経て、京都大学理学部から学位授与されるまでの研究テーマの変遷と葛藤を中心に、昭和 […]
連載:私の研究履歴書 第2回 ~学生時代2 砥部焼観光センター~
先に卒業論文で取り組んだ目的物質を(1)ではなく(2)とラベルしたのには訳があります。当初はベンゾキノンの環状架橋物質(1)を目的とする合成経路を調査、検討していました。文献から(1)の合成に必要な反応を見出すと、「練習 […]
連載:私の研究履歴書 第3回 〜学生時代3 論文作成〜
私が所属した構造化学研究室は成績優秀(?)で個性豊かな学生が毎年配属される人気の研究室でした。新4回生は配属直後から実験室の掃除、有機合成の基礎およびESRスペクトル解析などについて、M1学生からトレーニングを受けます。 […]
連載:私の研究履歴書 第4回 〜学生時代4 修士論文と就職〜
化合物(2)の環状架橋部分の構造を把握するために埼玉県の理化学研究所に派遣され、坪山研究室で大型計算機による分子力場計算(MM2)に挑戦しました。今日なら(2)の分子力場計算はノートPCで手軽に処理できますが、当時は理研 […]
連載:私の研究履歴書 第5回 〜「学位を取ってこい」〜
理学部化学科助手に着任後は、担当する演習科目と学生実験の準備を進める多忙な日々が続きました。ある日、先生に呼ばれて「京都大学理学部で学位を取ってこい。準備として夏期休暇の2ヶ月間を金属物性学研究室(廣田襄教授)にて大矢博 […]
連載:私の研究履歴書 第6回 〜研究の「後ろ髪」〜
助手着任から約3年間は研究テーマを模索する苦悩の日々が続き、研究の「後ろ髪」を掴むためにO2–•を生成する反応系を探索しました。試行錯誤の末に、過酸化水素水と強アルカリ水溶液(NaOH)の混合溶液からO2–•のESR信号 […]
連載:私の研究履歴書 第7回 〜単著論文2報〜
文部省(当時)の国内留学制度を利用して京都大学理学部研修員として10ヶ月間滞在する機会を得て白川通り沿いの鹿ヶ谷界隈の1DKに転居しました。大矢先生と議論を進めながら準備したFe(III)TPP-過酸化物錯体の原稿を米国 […]
連載:私の研究履歴書 第8回 〜いざ、公聴会〜
単著論文の作成は順調に進み、2報目が受理された時点で12月期の学位申請の手続きが始まり、化学系の全教員に配布する学位申請論文要旨の作成に取りかかりました。深く考えずに単著論文の要約を準備したところ、大矢先生に指摘されまし […]
連載:私の研究履歴書 最終回 〜その後〜
3月末の学位授与式の案内が届かないなと訝りながら、春の学会の準備などで過ごしていると、直前になって封書が職場に届きました。どうやら学位授与式の案内は同じアパートにお住まいの同姓同名の田嶋さんへ誤配送されたようです。あいに […]
連載:ESRは“注文の多い”測定装置?(4)ESRの測定領域;掃引磁場幅
一般的なNMRやIR測定では、測定領域(横軸)の設定を意識せずにスペクトルを記録します。これらの測定では、信号が現れる位置から分子の構造なりを判別するわけですから、信号が現れる全域を観測します。ESR測定の全領域は、磁場 […]