金ヘリックス電解ESRセル

コード番号 KSL-HE-01

 金ヘリックス電解ESRセルは大矢博昭博士が我が国に紹介された電解ESR測定専用のセルです。ESR測定部分には金線(外径0.5 mm)のヘリックス作用極を有し、その内部を貫通する金線の対極、その上部には銀線の参照極が位置し、3電極系で作用極の印加電位が制御できます。真空ポンプ吸引口から測定溶液の真空脱気あるいは不活性ガスによる置換が可能です。

新型電解ESRセルでは、電極端子に銅線(外径1.0 mm)を採用し、金および銀線と銅線をワイヤラッピング法で接続し、熱収縮テフロンを使用して保護しています。従来型電解セルでは、金線がガラス管との接着部分で切断するトラブルが多発していました。電極端子に銅線を使用することで、この致命的なトラブルは完全に解消できました。

①金ヘリックス電解ESRセルはJEOLおよびBruker社のESR装置で使用が可能です。
②金ヘリックス内部の試料溶液はESRのマイクロ波から遮蔽されるので、マイクロ波の誘電損失に寄与しません。そのため、金ヘリックス電解ESRセルは、水やDMSO等の極性の高い溶媒でも使用できます。
③電解反応で作用極周辺に生じた酸化還元種のESRを溶液状態で観測するには、温度可変用の石英ガラス管をESRキャビティーにセットした状態で使用します。
④溶液状態で電解反応後に、温度可変装置あるいは液体窒素デュワーで凍結すると、金ヘリックス電極周辺に生じた酸化還元種のESRを凍結状態で観測できます。

金ヘリックス電解ESRセル電極拡大図および外観
金ヘリックス電解ESRセル電極拡大図および外観